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人工知能プロジェクトマネージャー試験とは~G検定に続く非エンジニア向けAI資格~
2020年2月4日、一般社団法人「新技術応用推進基盤」が、新資格に関するプレスリリースを発表。
まだまだ情報は少ないですが、現在リリースされているものをまとめてみました。
記事を書いた人

元営業という経歴を活かしながら、金融・製造・流通業のお客様を中心にAI活用コンサルや定着支援・人材育成の支援をしたり、講演や執筆活動など幅広く活動しています。
ヤエリ(@yaesuri_man)
普段のお客様との会話の中でよく話題に出るこのテーマ。
技術畑ではないものの、長らく現場の実務に携わってきた視点は喜ばれることが多いです。
他のAI関連資格との違い
JDLA G検定&E検定など、その他AI関連資格との違いを簡単にまとめます。
人工知能プロジェクト マネージャー | AI実装検定 | G検定 | 巣籠塾 AIビジネスパーソン検定 | |
---|---|---|---|---|
対象者 | 人工知能を活用し、 ビジネスを推進する管理職 | ディープラーニングの 基礎能力を判定したい人 | ディープラーニングに関する 知識を有し、事業活用する人材 (ジェネラリスト) | 国内最高峰のAI人材 |
受験資格 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
試験概要 | 90分 60問 オンライン実施(会場受験) | 60分60問 (多肢選択式) オンライン実施(自宅受験) | 120分 220問(多肢選択式) オンライン実施(自宅受験) | 50分 23問 オンライン実施(自宅受験) |
受験料 | 未定 | 3,500円(税込) | 一般 12,000円+税 学生 5,000円+税 | 一般 14,000円+税 |
以降、G検定との違いを中心に解説していきます。
G検定との違い①対象者
G検定(ジェネラリスト検定)は、その名前の通り、ディープラーニング技術の一般的な概要知識を、広く習得することを目的としています。
昨今のAIブームのお陰で、AIを作る(機械学習のデータモデルを構築する)人材や手法はどんどん増えている状況。
しかしながら、人工知能をビジネスに適用し、マネジメントできる人材はまだまだ少ないのが現状です。
当領域でビジネスを行っている方は痛い程理解していると思いますが、AIを作るのと、AIを使ってビジネス価値を生み出すのは、全く別の話。
マネージャー職として、AIを活用してプロジェクトを正しく回し、ビジネス価値を生み出す人材である証が、この資格となります。
G検定との違い②試験方法
G検定との大きな違いが、試験方法です。
G検定は自宅でのweb受験が可能。そのため、参考図書の参照が実質許されています。
試験中、書籍やweb検索を行っても良いのです。
その代わり試験時間に対して問題数を多くすることで、全てを検索or参照して回答する事は不可能。
実質、1問あたり30秒で回答する必要があります。
その一方「人工知能プロジェクトマネージャー試験」は、定められた会場に集合し、会場のPCに向かって回答をする方式。
試験中の書籍参照やweb検索はできません。
G検定との違い③出題範囲
人工知能プロジェクトマネージャー試験の出題範囲は以下の通り。
- 分野A:目標設定能力
- 分野B:課題解決能力
- 分野C:統計的理解
- 分野D:統計理解の実装力
- 分野E:システム構築能力
- 分野F:プロジェクト遂行能力
- 分野G:法令理解
G検定と違い、人工知能をビジネスに適用し、価値を生み出す点に主眼を置いています。
G検定のシラバスと対比すれば一目瞭然です。
人工知能プロジェクトマネージャー 出題範囲 | G検定 シラバス |
---|---|
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効果的な試験対策は?参考図書の紹介
公式サイトでは13の参考図書が紹介されています。
その中で、特に重要視されている分野A~Dの参考図書を4つご紹介します。
なお、書籍を隅々まで読んで、全てを理解する必要はありません。
人工知能を取り扱うチームのマネージャーとして、重要なポイントだけ押さえておけばOKです。
分野A:「目標設定能力」の参考図書
マッキンゼーでのコンサル経験を持つ齋藤嘉則さんの書籍。
「問題解決を行う前に、まずは問題を発見し、正確に認識する事が大事」という、プロセスと手法を解説した名著です。
かなり有名な本なので、入社時の研修で配られ、読んでいる方も多いのではないでしょうか。
2001年発売と歴史は古いものの、その内容は色あせてはいません。
なおこの書籍は発売が古いので、Amazonで中古を安く買えるのも魅力の一つです笑
分野 B:「課題解決能力」の参考図書
データ受託分析の領域で有名なブレインパッド社の方々が執筆した書籍。
面白いのが、AI導入プロジェクトの失敗例がふんだんに紹介されている点。
いわゆる「PoC地獄」※PoCばかりで本番化できない(PoC=Proof of Concept:概念実証)
という、AI導入プロジェクトにありがちな罠について、過去の失敗事例を中心に詳細に解説されています。
資格試験を抜きにしても、AI実装界隈で仕事をしている人にはおすすめの一冊です。
分野C:「統計的理解」の参考図書
国内kaggler(カグラー)として有名な方々が執筆した書籍。
一般的な機械学習の教科書には載っていないアルゴリズムの違いや、コンペで勝つためのtipsなどがふんだんにまとまっています。
また過去のコンペについて、つよい方々がどのような思考・手法で挑んだのか、答え合わせ的な内容もあり、読み物としても楽しめます。
※「kaggleって何?」という人は、以下の記事をご参照下さい。
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Python初心者こそkaggleから始めるべき3つの理由
続きを見る
分野D:「統計理解の実装力」の参考図書
国内人工知能研究の第一人者である、東大の松尾教授が監修した書籍。
2017年と2018年に東京大学で実施された、学生/社会人向け講座で使われた教材をベースにしたpythonの入門書です。
機械学習の初歩の初歩が、400ページ以上のボリュームで丁寧に解説されています。
但し、何らかのプログラミングの経験者を対象としているので、全くの知識ゼロで読むと高確率で挫折してしまいます。
以下のオンライン講座をざっと受けた後に読み始めると良いでしょう。
人工知能プロジェクトマネージャー試験とは~G検定に続く非エンジニア向けAI資格~まとめ
2020年6月の試験実施に向け、これから詳細がリリースされる予定。
新たな情報がありましたら、随時このブログで紹介させて頂きます。
G検定に合格すると、転職オファーの質が変わったり適正年収の増額が期待できる
そんなG検定ですが、合格すれば転職オファーの質が変わったり、転職時における適正年収の増額が期待できます。
職務経歴書への資格記載有無でチェック可能。
合格前と後で比較してみてください。

という方は、以下のサイトがおすすめです。
※個人的には転職サイトを介しての転職はおすすめしていません。
自分の市場価値を正確に知るために活用しましょう。
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ハローワーク&リクナビいらず 転職先は仕事中に見つけ、確保する
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G検定「手抜き」合格テクニック
約一週間、計20時間の勉強時間で合格した私。
当サイトで紹介しているG検定「手抜き」合格テクニックをnoteの記事にまとめました。
時間の無い方は是非こちらをご覧ください。
その他、G検定関連のまとめ記事とおすすめ書籍はこちら。
合格ラインや過去問、勉強法、過去の合格発表タイミングなどなど、G検定関連だけで20本近くの記事があります。
是非これらを読んで合格して頂いて、次のレベルを目指してください。
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