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エンタープライズ営業あるある わざと失注すべき時とは?
いわゆる大企業を担当するエンタープライズのアカウント営業には、長期的なお客様との関係を考慮して、依頼された案件をわざと失注する時があります。
受注を追い求める一般的な営業マンからは想像がつかないかもしれません。
常に大規模案件を追い求める、アカウント営業の考え方を記事にします。
お客様の不利益になるとき
まずはこれ。その案件を受注することがお客様の不利益になる時です。
顧客組織が大きく複雑になると、色々な力学が発生します。
例えば役員層から
お客様役員層
話題のAIを導入して、何かやれ!データなら沢山あるはず
という指示が出た際に、サラリーマンであるお客様の担当は役員に逆らえないため、「何か」やろうとベンダに声をかけ始めます。
そんな時、会社対会社の長期的な関係を重んじるエンタープライズのアカウント営業は、通常はお断りを入れるのですが、顧客担当者のメンツを保つために形式的に提案だけをすることがあります。
対役員向けのアピールのためです。
この状況でお客様に何かを提案し、受注した案件がうまく行かなかった場合、長期的な視点で見てアカウント営業は信頼を落としますので、それを回避するために失注方向に持って行くわけです。
自社のリソースが足りないとき
これはIT業界あるあるかもしれません。
主にシステム開発案件になりますが、仮に受注できたとしても、それに対応できるSEリソースが足りない場合は、お客様に迷惑をかけてしまいます。
通常はその事を素直に告白しますが、お客様担当者としては選定ベンダの数合わせも大事な仕事。
そんな時は、お付き合いのために失注前提の提案書を提示することがあります。
自社の不利益になるとき
いわゆる初物リスク対策です。
過去に事例の無い業務課題を解決するために、システムを開発する事がありますが、これは「初物」といって、ベンダ側はその対応にかなり慎重になります。
経験の無い案件を下手に受注して失敗すると、お客様に迷惑をかけるからです。
こちらも、長期的な信頼醸成の観点で「危ない橋は渡らない」考え方に基づきます。
わざと失注するのは営業の仕事
通常、社内のメンバーは常に忙しい状況。
失注すべき案件に社内のリソースを割くことはできません。
こんな時は、営業がそれらしい提案書を書いたり、うまく振る舞って、失注方向に持って行く必要があります。
かつ、「わざと失注する」活動は、会社対会社の長期的な関係を考慮しての事なので、短期的に評価されるものではありません。
多くの営業はこれを嫌いますが、自身の経験には必ずプラスに働く活動。
「わざと失注し、お客様/自社内を波風立てず終了させる」
このスキルはエンタープライズのアカウント営業ならではのものです。
エンタープライズ営業あるある わざと失注すべき時とは?まとめ
結論として、わざと失注するのは、お客様のためでもあり、自社のためでもあるということ。
両社の長期的な関係を考慮して振る舞いを考えるエンタープライズのアカウント営業の仕事は、自身のスキルアップにもつながる仕事だと考えています。
ご興味がある方は是非こんな営業を目指してみて下さい。
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