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他人事ではない「内閣府AI戦略」~アラフォー営業マンの生き残りハック~
2019年6月に内閣府が発表した「AI戦略2019」。
来るべきデジタル社会に備え、日本の国力を向上するための施策の概要がまとめられている資料です。
が、我々営業マンにとってその内容は他人事ではありません。
「AI戦略2019」の概要の紹介と、我々にとってどう影響するかをまとめてみたいと思います。
「AI戦略2019」の概要
こちらの概要は以下リンク先に掲載されています。
以下、詳細を解説します。
AI戦略の基本的な考え方
色々書いてありますが、まとめると、
- 「人間尊重」「多様性」「持続可能」という理念の元に
- 4つの目標「人財」「産業競争力」「技術体系」「国際」とを通して
- 具体的に「未来の基盤作り」「産業・社会の基盤作り」「倫理」に取り組む
です。
AI戦略の具体目標と取り組み
色々細かく記載されていますが、ざっくりと以下です。
未来への基盤作り | 教育改革 | 全国民に「数理・データサイエンス・AI」教育を |
---|---|---|
研究改革 | 研究推進体制(特にAI)で日本をトップに | |
産業・社会の基盤作り | 社会実装 | 標準化を推進し研究を実装可能に |
データ関連基盤 | 次世代AIデータ基盤の構築 | |
デジタルガバメント | 公共サービスのコスト削減、AIによる生産性向上 | |
倫理 | AI社会原則 | 社会原則の普及と国際連携強化 |
この中で、特に我々サラリーマン(営業マン)に密接に絡んできそうなのが、一番上の「教育改革」です。
デジタル社会の読み書きそろばん「数理、データサイエンス、AI」
内閣府はこの戦略の中で、明確に以下を宣言しています。
<大目標>
デジタル社会の基礎知識(いわゆる「読み・書き・そろばん」的な素養)である「数理・データサイエンス・AI」に関する知識・技能、新たな社会の在り方や製品・サービスをデザインするために必要な基礎力など、持続可能な社会の創り手として必要な力を全ての国民が育み、社会のあらゆる分野で人材が活躍することを目指し、2025 年の実現を念頭に今後の教育に以下の目標を設定:
- 全ての高等学校卒業生が、「理数・データサイエンス・AI」に関する基礎的なリテラシーを習得。また、新たな社会の在り方や製品・サービスのデザイン等に向けた問題発見・解決学習の体験等を通じた創造性の涵養
- データサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を育成(約 25 万人/年)
- データサイエンス・AIを駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できるレベルの人材の発掘・育成(約 2,000 人/年、そのうちトップクラス約 100 人/年)
- 数理・データサイエンス・AIを育むリカレント教育を多くの社会人(約 100 万人/年)に実施(女性の社会参加を促進するリカレント教育を含む)
- 留学生がデータサイエンス・AIなどを学ぶ機会を促進
上記が何を意味しているかというと、
- 「数理・データサイエンス・AI」が、読み書きそろばんレベルに一般的になる
- 今から10年以内に、この教育を受けた世代が社会人デビューする
- それまでに定年を迎えられない我々は、同じ社会人として彼らと比較される
です。
我々アラフォー世代が50~55歳になる10年後には、高校などで「数理・データサイエンス・AI」を当たり前のように身につけてきた世代が社会人デビューします。
かつ、我々は同じ社会人として、同じ土俵で彼らと比較されてしまいます。
ただでさえリストラの嵐が吹き荒れる我々の世代。
会社員として、なおさら不利な状況に追い込まれるわけです。
-
出世できない40代サラリーマンが生き残るために~遅咲きの私の経験~
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では、何から始めるべきか
それでは、我々は何を始めるべきなのでしょうか。
色々方策はありますが、私は来るべきデジタル時代に備え、スキルを付けるべきだと考えます。
オックスフォード大学のオズボーン准教授は、論文「雇用の未来」の中で
- 今ある仕事の半数以上は無くなる
- 一般的な営業は淘汰されてしまう
解説しています。
-
AI時代になくなる営業、なくならない営業 ~全営業マンに贈る生き残りハック~
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そうならないように、これから生き残っていくためのスキルをつけるべきです。
具体的な方法は以下。
ソリューション営業型(コンサルティング営業型)に舵を切る
顧客の課題や問題点をヒアリングし、因数分解し、それを解決するためのサービスや製品を提案していく、コンサルティング型営業。
このスタイルであれば、単純な物販営業よりもつぶしが効きますので、データサイエンス系の学習も並行すれば生き残っていける可能性は高いでしょう。
更に
- 課題が柔らかいため、即時に具体解決策を提示しにくい
- AIが機械学習するための教師データを集めにくい。守秘義務や顧客属性もあるため、ほぼ収集不可能
という業務特性は、AIに取って代わられない職種とも言えます。
技術営業に舵を切る
今からでも遅くありませんので、データサイエンスの勉強を開始することです。
幸い、昨今はオンライン教材や書籍が沢山ありますので、勉強ネタに困る事はありません。
個人的に最もお勧めなのは、教材にお金をかけるまえにkaggleなどのデータサイエンスコンペティションサイトに登録し、実際にコードを書いてみること。
準備のための書籍を購入すれば効率は良いですが、ゼロ円からでも開始することができます。
詳細は以下の記事をご参照下さい。
-
Python初心者こそkaggleから始めるべき3つの理由
続きを見る
上記「ソリューション営業(コンサルティング営業)」「技術営業」どちらにも言えることは、やはり勉強は必須であり、しかも早く始めれば始める程有利ということ。
オズボーン准教授の論文の詳細は、以下の記事にもまとめています。
AIに取って代わられない営業になるためにも、スキル習得を目指しましょう。
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AI時代になくなる営業、なくならない営業 ~全営業マンに贈る生き残りハック~
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他人事ではない「内閣府AI戦略」~アラフォー営業マンの生き残りハック~まとめ
この記事のまとめは以下です。
- 近い将来、「数理・データサイエンス・AI」を兼ね添えた人材が社会に出てくる
- 我々は彼らと比較されてしまう
- そのため、早めにスキル習得に動くべき
なお、私個人も営業ではありながらデータサイエンスの学習を継続しており、それなりの業務ポジションに就けたと思っています。
私の経験談は以下の記事に記載しています。
-
出世できない40代サラリーマンが生き残るために~遅咲きの私の経験~
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「営業とAI」に関する記事は以下にまとめています。
是非こちらもどうぞ。
-
目指せ「文系AI人材」に関する記事のまとめ
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