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第3次AIブームは2021年末までに終わる
ニュースやテレビで「人口知能」「AI」という言葉を聞かない日は無いというくらい大流行している昨今。
私は業務でその周辺に携わっていますが、恐らくあと1~2年、少なくとも3年以内にはこのブームは終焉を迎えると考えます。
過去のAIブームの歴史を振り返りつつ、その理由を記事にしました。
記事を書いた人
元営業という経歴を活かしながら、金融・製造・流通業のお客様を中心にAI活用コンサルや定着支援・人材育成の支援をしたり、講演や執筆活動など幅広く活動しています。
ヤエリ(@yaesuri_man)
普段のお客様との会話の中でよく話題に出るこのテーマ。
技術畑ではないものの、長らく現場の実務に携わってきた視点は喜ばれることが多いです。
第一次AIブーム:推論と探索
いわゆるコンピュータが出来始めた1950年代に訪れた第一次ブームです。
コンピュータが登場した事により、人間を超えるようなAIが登場するのではないかと期待された時代。
但し、実際に当時のコンピュータができる事は、いわゆる「トイ・プロブレム」といった、簡単なゲームや迷路を解くことができる程度の技術でした。
考えてみれば簡単なことですが、全ての道順を片っ端から試行していけばいずれゴールにたどり着く迷路の問題は、単純作業を得意とするコンピュータにはうってつけの領域です。
第一次AIブームの特徴は「推論と探索」と呼ばれます。
予め決められたゲームのような限られた枠組みの中でしか効果を発揮することができないため、次第に廃れてしまいました。
第二次AIブーム:エキスパートシステム
コンピュータが一般家庭に普及し始めた1980年代に訪れた、第二次AIブーム。
このブームの特徴は何と言っても「エキスパートシステム」です。
これはその名の通りエキスパート「専門家」のように、知識を詰め込んだコンピュータのこと。
コンピュータの性能向上により、第一次と比較し記憶できるデータ容量が格段に増えたため「あらゆる知識をコンピュータに覚えこませよう」と、あらゆる人が息巻いていた時代です。
但し、数多ある情報をコンピュータに覚えこませる事が煩雑であるという運用上の問題から、次第に廃れてしまいました。
第三次AIブーム:ディープラーニング
そして2000年前後から昨今までが「第三次AIブーム」です。
インターネットの普及による膨大なデータ蓄積と、コンピュータデバイスの爆発的な性能向上・小型化、クラウドの普及によりブーム素地が整ったこと。
また人間の脳を模倣した「ディープラーニング」により、コンピュータが自発的に学んでいくという仕組みが生まれました。
このディープラーニングの台頭により
- 囲碁の「アルファ碁」「アルファ碁ゼロ」
- 将棋の「ポナンザ」
- チェスの「ディープマインド」
- 東京大学に入るための「東ロボくん」
というような、ある特定の機能に特化したAIが次々と開発され、これらの技術がビジネスの領域においても活用されるようになってきました。
これらの領域の技術者は非常に少ないため、記事執筆時点の日本の転職市場においては年収1,500万~2,500万円の値段がつくとも言われています。
浸透する「機械学習」
現在、ビジネスの場において活況なのは、広く「AI」と呼ばれる技術要素の中の一つ「機械学習」の分野です。
過去データを元にアルゴリズムを駆使して予測モデルを作成し、それを元に未知のデータを予測する。
あらゆる業種・業態において、機械学習が浸透し始めています。
色々なお客様に訪問している筆者の予測は以下です。
- 「AI」という言葉は、衰退する
- 代わりに、より実用的な「機械学習」という言葉が台頭し、定着する
これまで漠然としていた「AI」というバズワードではなく、より実用的な「機械学習」という言葉にバズが置き換わり、しかもその用語は一般社会に定着すると予想します。
では、我々ビジネスマンはどう振る舞うべきか
それでは、上記を踏まえ、我々ビジネスマンはどう振る舞うべきなのでしょうか。
その答えは、将来淘汰される仕事とそうでない仕事を判断し、淘汰されない側に行くことです。
特に営業マン向けとなりますが、詳細は以下の記事に記載していますので、是非ご一読をおすすめします。
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AI時代になくなる営業、なくならない営業 ~全営業マンに贈る生き残りハック~
続きを見る
なお当エントリーは、以下の書籍の内容を参考にさせて頂いています。
特に「人工知能は人間を超えるか」については、「そもそもAIって何??」というような前提知識が全く無い方にも、楽しく読める良書です。
「営業とAI」に関する記事は以下にまとめています。
是非こちらもどうぞ。
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目指せ「文系AI人材」に関する記事のまとめ
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