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【難易度別】転職にも使える AI人材を目指す文系職におすすめの資格10選
記事執筆時点、AI資格は過渡期であり、具体的に「これを取得しておけば安泰!」というものはありません。
更には、数多くのデータサイエンティスト育成講座が乱立している状況。
普段の実務で国内大手上場企業のAI・DX部門に訪問している私が
- 有効度
- 難易度
の尺度で、様々な資格を評価してみました
記事を書いた人
元営業という経歴を活かしながら、金融・製造・流通業のお客様を中心にAI活用コンサルや定着支援・人材育成の支援をしたり、講演や執筆活動など幅広く活動しています。
ヤエリ(@yaesuri_man)
普段のお客様との会話の中でよく話題に出るこのテーマ。
技術畑ではないものの、長らく現場の実務に携わってきた視点は喜ばれることが多いです。
AI人材を目指す文系職のあなたの参考になれば幸いです。
ココがポイント
まずは「G検定」。次にプレスリリースを狙いましょう!
簡単ながら有効な資格
まずは最優先で取得すべき資格。
「簡単かつ有効」という、左上の象限の資格です。
とりあえずこれだけはやっておいて間違いないです。
G検定
日本ディープラーニング協会が主催する「JDLA ジェネラリスト検定(通称「G検定」)。
AI関連の資格が出そろっていない現在でもそこそこの知名度&そこそこの難易度の資格になります。
当資格を取得するメリットは、「AI一般の知識を広く身につけられること」。
受験すれば、とりあえず会話について行くことができるようになります。
この資格を取得すると名刺に合格ロゴを載せられるようになりますが、ロゴを見たお客様の反応は、
お客様①
ふーん、こんな資格あるのか・・・
お客様②
良く分からないけど、とりあえずAIに疎いわけじゃなさそう・・・
というくらい。
つまり、取得して大きなメリットはありませんが、取らないよりはマシというレベルです。
注意点としては、その合格率に惑わされないこと。
過去に開催された全ての試験が合格率6割以上ですが、簡単ではありません。
しっかり対策して本番に臨むようにしてください。
G検定の詳細や勉強方法、合格のコツについては以下のまとめをご参照下さい。
-
G検定関連の記事まとめ(JDLA ディープラーニング ジェネラリスト検定)
続きを見る
AI関連のプレスリリースを打つ
資格ではありませんが、実はこれ、簡単かつ非常に強力な手段です。
自らがAI案件に携わった際、会社の広報に掛け合って、自分の実名入りでプレスリリースを打ってしまうのです。
web上にあなたの名前を刻めたら、しめたもの。
その功績は、転職時の職務経歴書の一部として十分活用できますし、転職面接時のPR効果も絶大です。
自社内の調整というイベントはあるものの、知名度の低い資格取得より断然コスパ良く実績の証を証明できる、非常に有効な手段。
具体的な方法は以下の記事にまとめてありますので、是非ご覧ください。
ITパスポート
経済産業省管轄の「情報処理推進機構(通称:IPA)」が主催する試験。
IT業界ではおなじみの
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント
- ネットワークスペシャリスト
などとおなじ括りの試験です。
世間一般の情報技術に関する共通的な基礎知識の習得を狙ったもので、その中でAI系も含まれる、というレベル。
AIの専門家ではないにしろ、概要は知っていますよ、という知識レベルを認定するものになります。
従い、業務上の有用度は大したことはなく、辛うじて「簡単かつ有用」に引っかかっているレベル。
称号というより、知識を習得する意味合いで受験するのは良いでしょう。
難しいがチャレンジする価値あり
続いて、右上の「難しい かつ有効」な象限の資格を解説します。
courseraの終了証
知る人ぞ知るオンライン学習サイト「coursera」です。
機械学習についても様々な方が開講しており、ちゃんと終了すると終了証が発行されます。
なおcourseraは、基本的には英語での授業になりますので、ここを終了すれば
- 質の高い授業を終了している
- 英語もそこそこ分かる
ということの証明になります。
もちろん、日本語での講義もありますので、ご興味のある方は是非覗いてみることをおすすめします。
実務上での評価はまさに「知る人ぞ知る」という感じ。
データサイエンス領域に詳しいお客様であれば、ここを終了した事の意義は感じてもらえるはずです。
統計検定(準1級)
財団法人「統計質保証推進協会」が2011年から運営している資格です。
4級から1級まで階級が設定されており、段階に応じて自分の統計のスキルを試すことができます。
表題の「準1級」は、合格率20%程度という感じ。資格の権威もあり、なかなかの注目度です。
kaggleの称号
記事執筆時点、ある意味これが最強の資格です。
「kaggle」という、世界中のデータサイエンティストが集う天下一武道会のようなサイト。
このサイトで
- GOLD
- MASTER
- GRAND MASTER
というようなランキング上位の称号を取る日本人は、転職市場でも引く手あまたの状態です。
正直、文系未経験の人にはハードルが高いので、とりあえず「チャレンジした(している)」という実績を作っておくだけでも有効です。
kaggleに関する記事は以下をご参照下さい。
-
プログラミング関連の記事まとめ
続きを見る
簡単かつ無いよりはマシ
ここから先は、左下「簡単かつ有効でない」の象限の説明です。
正直、現時点では合格を目指すほどのメリットが無い資格と捉えていますが、念のため紹介してみます。
pythonエンジニア認定
「一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会」が主催する「Python 3 エンジニア認定基礎試験」です。
資格自体は「知る人ぞ知る」という感じですが、基本的にほとんどのお客様はこの協会の存在および、この試験の存在自体を知りません。
従い、当面は積極的に取得しなくても大丈夫でしょう。
難しいのにそれほど有効ではない
ここから先は、右下「難しい かつ有効でない」の象限の資格の説明です。
正直、現時点では営業担当が当該取得を検討する必要は無いと考えていますが、念のため紹介してみます。
画像処理エンジニア検定
「財団法人 画像情報教育振興協会」が主催する検定の一つです。
が、マニアックすぎるせいか、記事執筆時点では実務の現場でこの検定の名前を聞くことは全くありません。
難易度は二段階に分かれており、それぞれの合格率は
- ベーシック :64%
- エキスパート:32%
らしいですが、知名度が低すぎてPRしてもお客様の頭にはてなマークが浮かびます。
余程画像解析のエキスパートを目指す方でない限り、時間をかけてまで取得する意味は無いでしょう。
E検定
日本ディープラーニング協会が主催する「JDLA エンジニア検定(通称「E検定」)。
先述のG検定の親分的な位置づけです。
機械学習エンジニアとしてのスキルを証明するためのこの資格。
一部マニアなお客様にはウケますが、G検定すら知られていない記事執筆時点は、残念ながら取得を推奨できるレベルにありません。
受験資格も厳しく、
- JDLA指定講座を受講し、終了する必要がある(これまた高額)
- 受験料が一回3万円以上
という、資格マニア以外には到底受け入れられない価格設定。
とにかく高いんです・・・。
知名度もイマイチなので、当面はスルーで良いでしょう。
SIGNATEの称号
日本版kaggleとでも言うべきサイトです。
2019年2月より、kaggleと同様に称号制度(コンペ上位者にメダル付与)が行われることになりました。
残念ながら、現時点はkaggleと比較したSIGNATEの知名度はかなり低く、コンペでメダルを獲得しても社外PRには使えない状況です。
しかしながら、今後AI人材の間口が広まった際に、kaggleの英語を敬遠する世代がSIGNATEになだれ込む可能性は否定できず、今からランキングに名を連ねておくことは後々ボディーブローのように効いてくるかもしれません。
【難易度別】転職にも使える AI人材を目指す文系職におすすめの資格10選 まとめ
まとめると以下です。
当記事のまとめ
- G検定は取得しておいて損は無い
- ITパスポートも同様。ただし実務上の意味は無い
- プレスリリースでの自己PRはお手軽でおすすめ
- 本気で生き残りを目指すなら、kaggle称号に挑戦
AI人材への転職の参考になれば幸いです。
「営業とAI」に関する記事は以下にまとめています。
是非こちらもどうぞ。
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目指せ「文系AI人材」に関する記事のまとめ
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