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【スキルアップ】有価証券報告書の楽しみ方

2018年12月2日

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【スキルアップ】有価証券報告書の楽しみ方

2018年12月2日

有価証券報告書とは?

皆さんは、有価証券報告書(以下「有報」)をご存じでしょうか。

各投資家が健全な投資判断をできるように、一部上場企業が定期的な公開を義務付けられている(※)、いわばその企業の公式ガイドブックのようなものです。

※金融商品取引法で公開が定められています。

上場企業をターゲットとするエンタープライズ営業の方々にとっては、お客様企業の研究のために無くてはならない存在です。

営業的な観点で、どんな所をチェックすれば良いか、またどのように活用できるかをまとめてみたいと思います。

有価証券報告書の掲載場所

有報は、以下のような所で閲覧可能です。

ここでは、日本を代表する大企業「トヨタ自動車」を例に取っています。

公式ホームページのIR情報(投資家情報)内

上場企業であれば、公式ホームページ内に「IR情報(投資家情報)」のページがありまして、そちらに掲載されています。

トヨタ自動車の場合は以下の通り、「投資家情報」→「IRライブラリ」にあります。

 

「EDINET」や「Ullet(ユーレット)」

有報を中心とする決算情報が掲載されているサービスがあります。

「EDINET」や「Ullet(ユーレット)」です。

こちらで企業名を検索すれば出てきます。


また単純に「トヨタ自動車 有価証券報告書」をググっても出てきますが、最新の有報が上位表示されているとは限らないので、上記の検索方法がお勧めです。

有価証券報告書の活用方法

特に営業に使えそうな部分を中心に説明していきたいと思います。

有報には、

  • 四半期に一度開示される「四半期報告書」
  • 会計年度末に開示される「有価証券報告書」

の2つがありますが、年度末の「有価証券報告書」のほうが、ボリュームが多くてオススメです。

ちなみに、2018年3月に開示されたトヨタ自動車の有報は以下です。

 

それでは具体的に内容を見ていきます。

※冒頭の数字は、トヨタ自動車の有報の目次の数字とリンクしています。

また「P2~3」とは、PDFのP2~3ではなく、PDFの最下部に記載されている目次番号を指しています。

第一部 第1【企業の概況】1【主要な経営指標等の推移】P2~3

直近数年の売上や経常利益、従業員数などを概観できます。

「年々売り上げが下がり続けているなぁ・・・会社としてヤバいかな?」というような事が分かるわけです。

ちなみにトヨタは大体対前年売上を超えていますね。やっぱり凄いです。

第一部 第1【企業の概況】2【沿革】P4

会社が創立されてからこれまでの歩みを見ることができます。

大抵の場合は吸収や合併を繰り返してきていますので、ここの情報を元に枝分かれ型のフローチャートを作ったりすると、営業ツールとして使えたりします。

またお客様担当者も、自社の過去の吸収合併の歴史を図示した資料を持っている人は少ないので、それを作っているだけで「コイツ研究してるな・・・。」となるかもしれません。

第一部 第1【企業の概況】3【事業の内容】P6~7

ここで重要なのは、「事業系統図」です。

関連会社を含めたグループ全体の事業会社の関係性が図示されています。

親会社ではなく、グループ会社に営業をかける場合にも、その会社のグループ内の位置づけが分かったりするので、有効です。

第一部 第1【企業の概況】4【関係会社の状況】P8~11

各グループ会社(子会社)の一覧と、親会社が何%位の株式を持っているかが一覧で表示されています。

当然100%に近ければ近いほど、親会社の影響力は強いわけです。

これも前段と同じく、グループ会社に営業をかける際の関係性チェックにも有効です。

第一部 第2【事業の状況】1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

会社の経営方針などが掲載されています。

大規模な提案活動を行う際などは、こちらに記載されている大上段の経営方針とベクトルを合わせておくと、キメのセリフに使えたりします。

この製品(貴方が売りたい製品)は、貴社の経営基本方針「世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスの提供」に寄与することができるのです!

といった感じです。ちょっとクサイですけど。

なお多くの場合は、中計3か年や5か年に準じた内容が記載されていますが、たまに上場企業でも創業者や二代目が代表を務める企業ですと「これマジ!!??」という位の夢物語的な理想論を掲げている企業もあります。

こういった特色を味わうのもなかなかオツです。

第一部 第2【事業の状況】3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】P19~21

「第1【企業の概況】」で会社全体の売上やら経常やらが出てきましたが、ここでは各事業ごとの売上と営業利益、及び対前年比を確認することができます。

ざっくり、どの事業が伸びていて、どれが伸びていないかを知ることができますので、どこをどう攻めるかを考える一助になります。

  • 伸びている事業領域(部署)への攻め方
  • 停滞している事業領域(部署)への攻め方

は違いますしね。

ここから一気に40ページくらい飛びます。

第一部 第4【提出会社の状況】1【株式等の状況】P67

ここで重要なのは、なんと言っても「(6)大株主の状況」です。

トヨタの株を持っている大株主と、所有%が分かります。

トヨタの場合は信託銀行系と豊田自動織機合わせて約46%ですね。

意外なところで株式の持ち合いがあったりするので、これも要チェックです。

第一部 第4【提出会社の状況】5【役員の状況】P73~76

ここも結構面白くて、各役員の生年月日やその企業内での過去の経歴や、所有株式数が掲載されています。

決裁ルート上にいる役員の経歴を調べて組織攻略に活用するのです。

大企業の役員は、大抵webで名前が露出されていますから、「役員名、当時の)部署名」などでググれば、インタビュー記事などが出てきたりします。

それを元に、あまり会う事のできない決裁ルート上の役員の考え方の情報収集をするのです。

第一部 第4【提出会社の状況】6【コーポレートガバナンスの状況】P87

ここで面白いのは、なんと言っても「⑫株式の保有状況」です。

トヨタがどこの会社の株をどの位保有しているかが公開されているわけです。

一番上に来ているのは「KDDI」ですね。

トヨタの販売店でauの携帯を売っている理由が良く分かります。

有価証券報告書は「アカウントプラン」の検討に活用できる

エンタープライズ営業であれば「長期的に、その会社をどう攻めていくか?」をまとめたプラン「アカウントプラン」を書いていると思いますが、有価証券報告書はアカウントプランを検討する材料として活用できます。

「アカウントプランとは何か?」「具体的に何を書けばよいのか?」という記事も書いておりますので、お時間がありましたら是非読んでみて下さい。

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